『明るい夜に出かけて/佐藤多佳子』あらすじと感想

『明るい夜に出かけて/佐藤多佳子』あらすじと感想

こんにちは。

突然ですが、皆さんの青春時代ってどういうものでしたか?

部活に明け暮れたり、勉強に費やしたり、バイト三昧だったり。

最近は歌ってみたとか踊ってみたの活動を頑張ってる人とかもいるかも知れませんね。

今回読んだ小説は、ラジオに青春を捧げた主人公のお話です。

『明るい夜に出かけて/佐藤多佳子』

 

概要

あらすじ

主人公は深夜のコンビニでアルバイトをする青年。

彼はある大学でのトラブルが原因で休学中。

また、女性に触れられない心の病気を抱えていて、色んなモヤモヤを抱えながら毎日を過ごす日々。

唯一の趣味は、ラジオ視聴

そんなある日、彼のコンビニに深夜であるにも関わらず明らかに若い女の子が現れます。彼女は深夜のコンビニにずっとたむろし、申し訳程度に飲み物をレジに持ってきます。

当然関わらないように最低限の対応だけしてやり過ごそうとする主人公。しかし、彼女のバッグにはあるバッジが2つ付けられていた。

カンバーバッジ』それは主人公が愛して止まないラジオ番組「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」で特に面白い書き込みをした人に送られる、言わば「勲章

元ハガキ職人だった主人公は反射的に声をかけてしまいます。この出会いがきっかけに、主人公の生活は大きく変わっていく。

主人公の青年と、コンビニに訪れたハガキ職人の女子高生、そこそこ人気の歌い手でもあるバイト先の先輩と、ラジオに投稿するもあまり取り上げられない大学同期の4人組がそれぞれ関わりあって展開していくお話です。

この本について

この本は2016年9月に単行本が刊行された本で、同年度の第30回山本周五郎賞を受賞した作品です。

また、この物語自体はフィクションの青春小説ですが、「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」は実在するラジオ番組なんです!

著者の佐藤多佳子さんはこの番組のヘビーリスナーだったらしく、その愛が溢れる作品になっています。

山本周五郎生を受賞したときのパーティーにアルピー(愛称)が祝福しに来たそうですよ。

 

ちなみにですが、本作品はラジオドラマ化もしています。主演は菅田将暉!

作中歌は「明るい夜にでかけて

歌うのはSUPER BEAVER!

なんとも贅沢なラジオドラマなので、是非聴いてみてください!
Youtube

佐藤多佳子Xアルピーの対談も面白いです。
対談はこちらから

感想

明るい夜に出かけて 幾千の闇の中から
明るい夜に出かけて 終わりのない時を数えて
明るい夜に出かけて その声を探しに行く 一人今はひとりで

 

ラジオは青春」と、私は思います。

学生の頃友達と話すときってさ、オチが無いのに馬鹿みたい笑ってたりしませんでしたか?

ラジオってまさにそういう感じなんですよね。作品を読めばわかるのですが、アルピーのANNは特にそうなんです。

それが作品の青春模様とキレイに合致していて、何故だか懐かしさを感じる青春小説でした。

 

先ほどの引用したフレーズ、凄く綺麗ですよね。

暗闇の中明りを探して一人歩く。青春だけでなく人生はそういう物だなと思います。

 

この小説は、私にとってリアリティのある青春小説でした。

私は学生の頃よくラジオを聞いていたからでしょうか。

歌い手が登場するのも最近っぽくて良いですよね。その辺も身近に感じる一因です。

学生の頃を思い出しつつ楽しめる本でした。